始まり
1年前に母が亡くなり、百箇日も過ぎたころから、気になっていた乳腺クリニックへの受診を考えるようになった
最初はその前の年の10月のこと、シャワー中に左胸にしこりを見つけた
週末だったので、週明けの月曜日にすぐさまお医者さんへ走った
もともと乳腺に石灰化があり、定期的に健診を受けていたので、しこりが乳がんによるものか乳腺症かわからず、どちら寄りの科を受診したら良いか悩んだ
もしも癌だったら、紹介や検査でさらに時間がかかるのが惜しかったのだ
開業医で内科外科双方の看板を出し、なおかつ超音波の器械を持っているところをネットで探した
近場ではなかなか無いかなと思ったら、職場から歩いていける場所に発見
そこは乳腺検診も請け負っているところだったので、午後から仕事を抜けて行ってみた
当日の検査の結果はグレー
先生的には明らかな腫瘤で、乳がんに見えると
ただし生理周期による乳腺の影響の可能性も捨てきれないので、月が変わったらまた来るようにと言われた
それが2013年10月半ばで、11月早々に再診
その時にはしこりはさらに硬く大きくなっていたものの、エコーには何も映らなかった
先生からはしこりの原因はわからないが、乳がんでも乳腺症でもなく心配ないと言われた
とりあえず、しこりに変化があればすぐ来るようにということと、毎年の健診で必ずマンモグラフィとエコー検査を受けるようにと言われた
ひとまず安心して帰ったものの、しこりはその後も硬さや大きさが変わり、年が明けて春頃からは小さなしこりがずっと触れるようになった
母の介護もあり、6月には入院→死亡とバタバタ続きで、母の入院中に会社の健診オプションで検査を受けるのがやっと
結果は「乳腺症の疑い:6ヶ月後に乳腺科を受診すること」だった
乳がんの見立てではなかったことに安心したけれど、しこりが大きくなってきていることに不安があり、本来なら6ヶ月後の12月にクリニック受診する予定だったのが、我慢できずに11月に行ってみた
今どき乳腺科はとても混雑していて、近隣ではどこも紹介状がないと受診できず、また受診までにかなり日数のかかるところがほとんど
行きつけの内科か婦人科で紹介してもらうしかないかなーと思いつつネットで乳腺クリニックを検索すると、その年の8月に開業したばかりの乳腺クリニックが近くにできていて、その時は紹介状も予約もなしで受付しているということで、すぐに出かけて行った
最初の医院でも健診でも癌ではなかったので、多分乳腺症が悪化したんだろうと思っていたのだけれど、触診とマンモ・エコーの後、すぐに細胞を取って調べましょうと言われた
マンモには何も映らないけれども、触診でもエコーでも腫瘍に見えると言う
検査して何もなければ安心できるしと、その場で針生検を実施
結果は2週間後、悪性がんだった
紹介状を出すので専門の病院に行くようにと言われた
転移がなければ手術が普通で、おそらく全摘手術になるだろうということと、今からだと早くても年明けの手術になるだろうということを言われた
母が生きていれば、多分手術という選択肢はなかったと思う
でも父だけならば入院で家を空けても大丈夫だろうと判断、決意した
2014年11月末のことだった